身体を拭いてバスローブでさっぱりしたところで、
孝之が冷蔵庫の中を見てと言うので
開けてみたら デザートが入っていた。
私が甘いものが好きなので
いつも何かしら買ってきてくれる。
今日はチーズケーキ。
孝之はビール。
テレビをつけて
二人で座って何か話しをしていた。
食べ終わった私をそばに寄せて
ひざまくらしてあげる、と孝之は言う。
ソファで膝枕しながら私はテレビを見た。
どういうわけだか、子供の頃の話しになった。何故だったんだろう…もう思い出せないけど…。
私達は二人ともそれぞれの父親が
酒乱であまり働かず、暴力を受けて育った。
母はいつも苦労していた。
「私のうちは、家族でお祝い事なんて、した覚えがないな〜。」なんて事を
孝之は言ったんだと思う。
「葉ちゃんのうちでは誕生日なんてお祝いしてくれた?」
「うん…。小さい頃はしてくれたね…。でも、
父がいると全然楽しくなかったわ。 恐かったの。」
私は弟の事を思い出していた。
誕生日の恐い思い出。
「兄弟の誕生日を小学校の頃祝った事があったの。
みんな、何かしら買ったり作ったりしてプレゼントを
渡したの。 その時、めずらしく父もいたの。」
孝之は静かに聞きながら私の髪の毛をなでていた。
私は続ける。
「小1の弟が、河原で草の実を沢山集めてきて
糸で通して腕輪を作ったのよ。ただそれだけの事なの。」
私は思い出し…過去にいる。
「あの時、弟は 『腕輪作ったんだよ。』って言って渡せば何でもなかったの。
でも、あの子は『数珠玉作ったんだよ。』って言って渡してしまったの。
………ただ…そう言った…だけだったの…。。。
…それなのに
ただ、それだけ だった…のに…。」
私は涙をこぼしながら続けた。
孝之はただじっと聞いている。
「父が、『数珠玉だなんて縁儀でもない!!』って…。
『拾って来たところへ捨ててこい!』って怒鳴るん。」
私は孝之の膝で、両手で顔を覆い
それ以上すぐには続けられなくて
子供みたいに
おいおい泣き出してしまった。
私自身もこんなに おいおい泣きが止まらないのに驚いた。
孝之は、膝枕で私の髪をなでながら言う。
「いいじゃないか…。ねぇ、一生懸命君の弟さんが
作ったものなんだろ?何故、そんな言い方小さい子供に言うんだよね。」
えっ、えっ、…と泣きながら続ける。
「もう外は夜で真っ暗なのに、父は木の実を摘んだ所に捨ててこい!って…。」
「そんな言い方酷いよね。」
「うん… そうなの…。。。うん…。」
「それでどうしたの?まさか捨てに行ったの?」
「うん…。泣きながら弟は出て行ったわ。
河原に捨てに…。
母がすぐ追いかけて一緒に行ってくれた。
私達はみんな家で泣いていたわ。
ただ、お祝いしたかっただけなのに…。 私は姉なのに
あの子の事を守ってあげられなかった。
私も父が恐ろしかったの…。 すぐ叩くの。」
もう
ずっと泣いてしまった。
「いいんだよ。葉ちゃん、恐かったね。とっても恐かったね。
私が君のお兄ちゃんだったら、絶対守てあげられたのに。
今は大丈夫だよ。私が葉子を絶対に守るよ。
もう、恐い事はないからね…。」
そう言って丸くなって泣く私を慰めてくれた。

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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト
- 2008/09/07(日) 08:13:42|
- ◆葉子(孝之と葉子)
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| コメント:6
著者のかたってその辺のオバチャンでしたよね?自費出版のこの本が人気になってというサクセスストーリー。
いいなぁ〜。
- 2008/09/09(火) 10:08:27 |
- URL |
- ssss #-
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嬉しくなります。(^-^=)
謎解きわかっちゃいましたか。
私は 先日テレビで著者の生活ぶりを紹介してて、
それ見ちゃったせいか、結局世界に入り込めませんでした。
著者が一人食事してるシーンとか思い出しちゃって、あの人が書いた話か…なんて。
漫画家も、作家も、声優も顔やひととなり
知るもんじゃないなって思いました。
- 2008/09/08(月) 15:45:21 |
- URL |
- 桜子 #RFLa5L.2
- [ 編集]
「たかゆきさん」という台詞が出るたびにここの事が(笑)
葉月りおなの劣化が・・・。顔だけはもの凄いキレイだったが、その顔もすでに(-_-;)
早い段階で謎解きは当たっていました♪当たるとチョッと嬉しいですね。
- 2008/09/08(月) 15:21:21 |
- URL |
- ssss #-
- [ 編集]
いま氷の華みてますが、主人公の旦那の名前がたかゆきです。ここを思い出しました。
- 2008/09/07(日) 22:22:58 |
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- ssss #-
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